さとやまから始まる十の物語
2014年5月、私たちは新しい宿をオープンさせました。
でも旅館を始めたかったわけではありません。
レストランを始めたかったわけでもありません。
始めたかったのは、新たなインタラクティブ・メディアの枠組みをつくること。
見る、嗅ぐ、聞く、感じる、眺める、座る、くつろぐ、食べる、飲む、寝る……。
滞在中になにかひとつでもインスピレーションを感じていただければ、
それはこの上ない幸せです。
そして、あなたが感じたことを発信することで、
モノ、人、理念が一体となった新たなメディアが完成します。
「米一粒がメディア」。
「椅子はそのフォルムだけではなく、座り心地がメディア」。
「そこにある風景そのものがメディア」。
人と人の対話だけでなく、モノが、建物が、風景が語り出す……、
そんなメディアをつくっていきたいと考えています。
もちろん、小難しいことを考える必要もなければ、強要するつもりもありません。
「静かだねぇ」「美味しいね」「鳥の声に癒されるなぁ」
「疲れない椅子だね」「素晴らしい天の川だなぁ」「ぐっすり眠れたわ」……。
仰々しいおもてなしはいたしせんが、どうぞ、ごゆっくりお過ごしください。
あなたにとって、心満たされる時間でありますように。
株式会社自遊人
クリエイティブ・ディレクター
岩佐十良